土佐日記(嘘)

若者もすなる、はてぶ(ろ)といふものを、ばばあもしてみむとて、するなり

解脱への道は遠い。

結局、未練がましく断ち切れない人の現場に入ってきた。しんどかった。あーもうしんどかった。なんだろう。もうファンなのかなんなのか自分がよく分からなくなってきた。私はいったい、あなたのなんなのさ。って考えてしまう、解脱できてない自分と、いや、私はただのあの人のファンだから。ってなる自分でいた。また感情があやふやになってしまった。

なんとなく仕事終わりに来ました。汗でほとんどメイク落ちてます。みたいな恰好でいって、もう幻滅してくれたらいいのになってなって行ったのは、失敗だったのか成功だったのか。結局、頑張って仕事終わりに来た。みたいになってたから、失敗だ。
見つからないようにって思う自分と、でも行くね。って連絡してしまった自分がいて、ずっと矛盾だった。

すぐ帰ればいいだけの話なのに。ふらふらと現場でてから、連絡が来そうな気がして。すぐには帰らずにちょっと時間つぶして、案の定連絡きて落ち合ってご飯食べたけど、おいしいはずなのに、おいしいのかよく分からなくなった。というか話は殆どしてない。そんな話すことなんてないのよ。今、若手俳優に夢中なんです。って話はしなかった。ほんと私のどうしようもない話をいつまでも覚えてくれてるから、うかつに話せない。「最近どう?」って聞かれて、ゆるっと仕事の話をして、●●さんは?って聞いて、話を聞いて。でも、私は彼のSNSを知らない設定なので、あ、それ、知ってる。写真載せてたね。みたいな感情は抑えて、初めて知ったフリして話を聞く。でも、すごく話が広がるわけでもない。

悪いから自分の分は払うって言ったけど、全然受け取らないし、私だってもう子供じゃないんですけどね。立派なばばあなんですけどね。おじーさん。って口にはださないけど、思っていて、後でコンビニ寄って、お酒とつまみ渡して、帰るねーってかえってきたけど。なんだかなぁ。だった。現場の感想が全く頭に残らない。

見た限り、オンリーじゃなかった。他にもファンきてた。どうやって、その人たち巻いてきたのか知らないけど。
二人でご飯食べてって、これで、私はただのファンだし。って言いはるのは無理があるよね。でも、ただのファンだって言い張りたい自分がまた出てくる。好きって感情は腐ってしまって、何かの違うものに変わって、どうしようもないところに、迷い込んでしまったんだ。解脱への道はまた遠い。
まだ、私もばばあにつま先つっこみかけた頃だったら、違ったかな。いや、違わない。
こういうのが、今始まったわけじゃない。昔もこうだった。現場行かなきゃいいんだよ分かってる。知ってる。でも、それができたら、拗らせてないわ。



これまでは、基本的に相手が引退することでちょっと昇華してきた部分があるので・・・。あーーーー引退・・・いや、この人は一生現役とか言いそうだ。