土佐日記(嘘)

若者もすなる、はてぶ(ろ)といふものを、ばばあもしてみむとて、するなり

フィクションから入ろう。認知関連の話。

 

ちょっと前に書いてて、でもこれなぁって思って、割とあったためてたけど、いろんなブログにあてられて書いておく。

 

フィクション。

 

「この後時間ある?ごはんいこっか。」

寒空の下、聞こえた声にAは目を見開いていた。 

 

その日、Aは自分がおっかけをしているある人を見に、地方まで来ていた。悪天候に見舞われたが、公演がその日しかないということで、その演目は開催された。とはいえ、その地方まで見に来るのも交通機関の関係で難しいその状況で、客入りは芳しくなかった。
Aは、その地方在住者ではなかったが、前乗りをしていたおかげでどうにかその公演に入ることができた。そして、終演後にAは自分が応援しているBを待った。雨は降っていなかったが、風が刺さるように痛かった。それでもBを待った。AのほかにBを待っている人はいなかった。Bだけでない。誰の事も待っている人はいなかった。またこれからも天候は読めない。多くの人は家路を急いだのだろう。
Aが待っていた理由はただ一つ、その会場から宿泊先がとても近かったからだ。だから、待つことができた。

どのくらい待っただろうか、もう寒いし、やっぱり帰ろうかとAが思った瞬間だった。

「Aちゃん!」

Aが応援しているBが出てきて、Aを呼んだ。視力の悪いAはBの姿に気付いていなかったので名前を呼ばれて、Aはびっくりしていた。
そして、Bの共演者たちにニコニコと微笑まれる。
「あ・・・Bさんお疲れ様」
そういってAは待っている間に書いた感想の手紙を手渡した。Bに手渡した。Bは「ありがとう」と言ってその手紙を受け取り、鞄にいれたあと、Aに冒頭の言葉を投げた。

何を言われているのかAは本当にわけがわからない状態だった。
見渡せば、さっきまでいたBの共演者たちはいない。関係者があたりを行ったりきたりはしているが、その人たちはAにもBにも無関心なようだった。

「え、あ・・・あ・・・うん。」

Aが頷くと「じゃあ行こう」とBが歩きはじめた。Aはそれに置いて行かれないように歩いた。
Bの背中を追いながら、これはいったい、どういう展開なのだろうかとAは思った。応援しているBとなぜか自分が歩いている。しかも、これから食事に行く?自分はただの彼のファンなのに?なぜだろう。

 二人が入ったのは、中華料理店。決めたのはBだった。別段綺麗でもないが、油汚れがあるわけでもない庶民的な店。今日の天候のせいか、閑古鳥が鳴いているようで、テレビから視線をそらした女将は「寒かったでしょう。どうぞどうぞ」と二人を迎えてくれた。外と店内との温暖差か、それとも現状にか、Aは少しくらっとした。

 でも、BはそんなAを気に留めることなく座るとすぐにメニューに手を伸ばした。Aはドキドキしながら、その前に座った。そして何か思い出したようにBがAを見る。

「Aちゃん何か食べられないものある?」

「え、あ・・・・いや、特に。」

「そっか。じゃあ、適当に頼んでいい?」

「あ、あ、・・・私、餃子食べたい。」

「おーいいね!」

Bはにっこり笑った。Aは、なんで餃子って言ってしまったのかと、頬を赤らめた。

「Aちゃん他は?」

「あ・・・・。」

少しだけ空気が軽くなった。そして食の誘惑に勝てずにAもメニューに手を伸ばした。

 

中華料理屋さんのあとの話はなんか書くの疲れた。AちゃんとBさんはどうなったんだろうなー。

 

このAちゃんみたいに、認知?というか顔も知られて、名前も知られて、なんてことは過去にはあったんだけども。でも、私がいなくなってとかは考えたことなかった。そこまで考えるほど私は優しくもないみたいだ。
でも、10年以上応援してファンが少ない現場ばっかりだったから、たぶん、相手は大体、忘れてないと思う。そもそも、人間の脳は忘れないってなんかテレビでいってたはず。忘れるんじゃなくて、記憶を引っ張ってくる糸口が見つからなくなるだけらしい。ということは、覚えられてしまったら、忘れたのではなくて、潜在的には覚えてるけど、その記憶を引っ張ってくる糸口を見失っただけで、思い出せないだけ。

できることなら相手の記憶から自分のこと抹消したいけど、そうすると殺すしか今の所ないので、犯罪者にはなりたくない。

私の中で蜜はお金ありきでセックス込み、繋がりは、金が絡んでないけどセックス込みで、繫がりと彼女の境目って曖昧で、でも、未来があるのが恋人で未来がないのが繫がりかなって思ってる。どんなに関係性が、恋人同士のそれに思えてもその先が見えないもしくは、みようとしていないのは繫がりかなって。
昔、応援していた人に対して、私はどれだったんだろうねぇ。正直、どれにもなりたくなくて、私はただのファンでいたかった。

 

 

ただ、応援する人と連絡が取れあえるようになると、応援する時に楽だったなって思う。

ま、でも、基本的に応援してる人にそういうのは求めてないし、そういうの求めても許されるような年齢でも容姿でもないので。過去が不思議なんだなぁ。これが。